読書のススメ
本を読むことは己を知ること



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藤沢 周平

うらなり与右衛門 藤沢周平

うらなり与右衛門 藤沢周平

「たそがれ清兵衛」の中にある短編の一つである

うらなりのように長い顔の武士が、その顔を利用して
友の仇討ちをした話だ

男は顔じゃない、では何か?
武士であればこそ、剣の腕だろう

身分は低くても顔はまずくても、剣なら負けない
そういう時代ならではの胸のすくような話である

人は見かけによならない、男も女もだ


藤沢 周平

たそがれ清兵衛 藤沢周平

たそがれ清兵衛 藤沢周平

この本は何度読んだだろう?
何回読んでも、いい小説だと改めて感じる

清兵衛は、昼行灯のように藩内から揶揄されていたが
ここぞという時にやるべきことをやった

だから偉いというのでなく、江戸時代という封建社会に
彼のようなフェミニストがいたことが嬉しい

もちろんフィクションではあるが、時代小説の雄であった
藤沢氏が書いた一人の男性、しかも武士の清兵衛が
家老の命令よりも、我が妻の介護を優先するという
なんとも天晴れではないか

清兵衛は、武士であることも妻を介護することにも
ブレていないしひけらかしてもいない

淡々となすべきことをなしている
そういう人間は少ない


藤沢 周平

闇の歯車 藤沢周平

闇の歯車 藤沢周平

藤沢氏の著作はいくつか読んできたが、この本は
これまで読んだ中にはないタイプの小説だ

ひとことで言えば、捕り物帳である

それぞれの暮らしをする町人たちがいて武家もいて
思いがけず彼らが組み合わさって歯車が出来上がる

夜の闇という犯罪の世界があって、昼間の明るい
おもて世間の人々と作る歯車

何故そういう夜と昼が出合ってしまったか?
ほんの小さなきっかけに過ぎないのだ

誰にでも起こり得ることとは思わないが、現代にも
通用する事件だろう

江戸時代に生きた人々も、我々現代人も似たようなものだ
みんな弱い生きものだ

弱いから歯車に組み込まれようとしている
悪でも善でも、始まりは些細なことなんだ

そう感じたが、藤沢氏はやっぱり小さな優しさを
最期に与えてくれた
それが欲しいから、私は藤沢作品を読む


藤沢 周平

本所しぐれ町物語 藤沢周平

本所しぐれ町物語 藤沢周平

藤沢氏の本には、やすらぎがあると思う
町人も武士も悪党ですらも、どこかに
救いがあって、読者をホッとさせてくれる

司馬遼太郎さんは、立身出世していく話が多く
現役世代には受けるものだろうと思う

しかし、人生の半ばを過ぎるとやはり
藤沢氏の本がいい



藤沢 周平

麦屋町昼下がり 藤沢周平

麦屋町昼下がり 藤沢周平

短編集であるが、全編に漂う正義が心地いい

いや正義ばかりでなく、努力した者が報われる
という当たり前のことがさりげなく書かれてある

余韻のある終わり方がいずれも清々しい
さすがは藤沢氏と唸ってしまう 



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