読書のススメ
本を読むことは己を知ること



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あさのあつこ

蟻の兵隊 池谷薫

蟻の兵隊 池谷薫

国家に二度捨てられた日本陸軍兵士達がいた

彼ら2600名は、上官の指示に従って戦後も中国山西省に残った
昭和20年8月の終戦直前のことであった

山西省の要人が日本陸軍にそれを希望したのは、要人自らが中国から
山西省を独立させる為だった

また、日本陸軍上官達も、敗戦は目に見えており、戦後の日本を
中国からもアメリカからも守る為にという大義名分があった

残された兵士達は、中国の共産党軍と戦い400名余りが戦死し
700名余りが捕虜として収容された
中国の内戦に利用されたのだ

生き残った兵士達は、昭和30年前後にやっと祖国の地を踏むことができた
しかし、彼らを待っていたのは、軍籍を抹消されていたという事実だった

敗戦前に帰国を拒否し、自ら中国に残る意思表示をしたことになっていたのだ
だから、彼らは国の補償の対象にはならなかった

しかも、帰国後もアカと見なされて、私服の公安刑事が張り付いたし
戦死した兵士達の遺族も、戦死ではなく病死と処理され、遺族年金も
支給されなかった

国会でも審議されたが当時の厚生省の見解は、残留兵士達は帰国の命令に
従わず残ったのだから軍籍を抹消し、彼らは自分達の意思で内戦に参加した
というのである

残留兵士達の上官らは皆同じように、帰国を促したにも関わらず彼らは
残ったのだと証言した
物的証拠はすべて隠滅されていた

これらが昭和30年当時の事実であった

先の大戦では、国内でも(特に沖縄)悲惨で過酷な状況だった
戦争末期には、特攻隊まで実施された
特攻隊という人間自らが爆弾となって敵に突っ込むことは、万国の戦いに
禁止されていたにも関わらず、日本では昭和天皇が認めたのだ

特攻隊員らは、華々しく散った日本兵として未だに語り告がれている
同じ日本兵として中国山西省に残された残留兵達は、帰国しても
アカと蔑まれてきたのだ

残留兵士達がやっと相互に連絡を取り合い、「蟻の兵隊」として
全国協議会を結成したのは、平成3年のことである

彼らは個別に請願していたことをまとめて国家に行うことにしたのだ
そして再び国会審議が始まったのが平成9年である

当時の厚生大臣であった小泉純一郎氏は、「再度見直す必要があるの
ではないか」と答弁した

そこで、裁判が始まったのが平成13年である
残留兵士達の多くは、すでに80代だった
彼らは軍人としての恩給の支給を求めたが、人生の終盤を迎えた
彼らにとって、今更の恩給などどうでもいいことだったろう

ただ、恩給を勝ち取ることは、やむなく残留した後も日本陸軍兵士であった
ことの証明であり、中国で除隊処分にされたことは不当であることを
国に認めさせることだった

平成19年、最高裁は審理を開くことなく棄却した

祖国復興のためにと中国内戦に参加させられ、またしても祖国から
日本軍兵士と認められなかったのである

近年映画化されたそうだが観る機会がなかったのは残念だ

私の母の妹は、昭和19年に徴集されていた工場で爆撃により死亡した
その戦争弔慰金なるものが今も支給されている
年間わずかな金額だが、遺族ということで相続も出来る

これらに掛かる総費用というのは、おそらく国家予算の数パーセントに
あたるだろう
国は、先の大戦での戦死者はもちろん国内での死亡者も決して
蔑ろにしているわけではないとは思う

長くなってしまったが、私がこの本を読んで言いたいことは
私達が生まれるずっと以前に、日本陸軍という化け物がいたということ
その化け物を生んだのは、まぎれもなく私達日本人であるというこ
これを忘れてはいけないと思う

同じ敗戦国でありながら、今のドイツは無料で入れる大学ばかりである
福祉の面においても日本とは断トツの違いがある

この差は何なのだろうと考える
民族性の違いと一言で言い切っていいのだろうか?

あさのあつこ

夜叉桜 あさのあつこ

夜叉桜 あさのあつこ

なんというタイトルだったか忘れたけど
よく似た構成の本を昔読んだような気がする

父親の死後、同心を継いだひねた若造
その若造を支える老練した岡っ引き

岡っ引きは、若造の父親に仕えていて心酔していた
父とは似ても似つかない若造に呆れながらも
可愛げもあると認め、手足となって働く

若造の同心には、口のうるさい上司がいて
大声で叱咤される
若造はうまいこと言いくるめて、上司を上機嫌に
変えてしまう

うーん、よく似てるなぁ。。。

あさのさんの「バッテリー」はすごく良かった
時代小説は、あさのさんには向いてないんじゃ
なかろうか?

やたら難しい漢字や表現の比喩が多くて
読むのに疲れた

藤沢周平氏には遠く及ばないね  >ごめん


あさのあつこ

福音の少年 あさのあつこ

福音の少年 あさのあつこ

う〜〜ん、わからん

あさのさんの本は、ヤングコーナーにあるから
久々に読みたいと思って、ヤングコーナーに行って
選んで読んだのに、さっぱりわからんかった

まず、なんでこの本がヤングコーナーにあるのか?
中高生向きとは思えない

次に、作者の意図が見えない
内容がいずれも中途半端に思えるのは、多分
私に読み取る能力が足りないからだろう

登場人物は高校生たちで、彼らの省略した言い方は
彼らの間では通用するのだろうが。。。

少年少女の心の闇は、大人になってしまった作者にも
わからなかったのでないか?


あさのあつこ

金色の野辺に唄う あさのあつこ

金色の野辺に唄う あさのあつこ

92歳で大往生する女性の独り言から始まる

昔、人生の先輩が教えてやれることの一つに
死んでみせる、ということを聞いたことがある

どのように生きたか、ではなく、どのように
死んだか、である

まだ高校生だった頃、血のつながる伯父が死んだ
それが「死」というものを身近に体験した初めての
できことだった

ガンに蝕まれ痩せ衰えた顔を、棺の中に見た
死ぬまでの身内のイザコザを高校生なりに
色々耳にした記憶がある

人はいずれみんな死ぬ
生き方に誇りを持てなくても、死に際は鮮やかに
そう、それは誰にでも残されてる希望の一つだ

無慈悲に進化した医療に生かされるよりも
自分自身が納得して速やかにあの世に行きたい

あさのさんにはめずらしい(失礼)大人向けの
本かもしれない




あさのあつこ

バッテリー あさのあつこ

バッテリー あさのあつこ

中高生に人気のある作家らしいが、藤沢周平氏の
書評を読んで、あさのさんという作家を知った

その書評が明るく元気で威勢がいいので
あさのあつこって、どんな作家なんだろ?
というのが読んでみたきっかけだった

期待通りだった ^^

野球部のバッテリーに中学1年生ながら、先輩を
差し置いて、なってしまったのだ

天才的ともいえる傲慢なピッチャー
女房役のキャッチャーがひたすら気遣う

今時の(でもないか)中学生、しかも男の子
未知の存在であり、理解不能な生き物だ。。。

しかし、面白かった
軽くてすぐ読めるのもいい




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